@phdthesis{oai:shinshu.repo.nii.ac.jp:00045454, author = {深沢, 香菜子 and Fukasawa, Kanako}, month = {2020-05-11}, note = {【目的】食物の粉砕は機能咬頭間の限局された部位で行われており,この部位は主機能部位とよばれている.そして成人個性正常咬合者では上下顎の第一大臼歯に存在することが示されている.不正咬合者の主機能部位については,骨格性下顎前突では,上下顎ともに第一大臼歯を中心にばらつきがあり,上顎では有意に前内方に,下顎では有意に後外方に位置していることが報告されている.しかし,水平的下顎偏位と主機能部位の関連は検討されていない.そこで,本研究では偏位を伴う骨格性下顎前突者の主機能部位を解析することを目的とした.【資料及び方法】松本歯科大学病院矯正歯科に来院した骨格性下顎前突者13名(平均年齢20.1±4.5歳)を対象に,テンポラリーストッピング(ストッピング)を用いて習慣性咀嚼側の主機能部位を決定した.主機能部位の決定は,直径3.4mm 長さ4.0mm のストッピングを舌上におき,噛みやすい位置で噛むように指示した. これを,左右側の部位を指定せずに10回行い,先に5回達した方を習慣性咀嚼側とし,残りの回数は習慣性咀嚼側の反対側で咬むよう指示した.習慣性咀嚼側と下顎骨の偏位側が一致した8名 (一致群:ANB -3.9±2.3°)と,習慣性咀嚼側位側と一致しなかった5名(不一致群:ANB -3.3±1.7°)の2群に分類した.その後ストッピングを復元した歯列模型を専用の3D モデリングソフトウェアを用いて3次元化し,ストッピングの位置の座標解析を行った. さらに,臼歯部の歯冠傾斜を,モデリングソフトウェアを用いて測定した.また,側面頭部エックス線規格写真と正面頭部エックス線規格写真(PA)を計測し解析した.【結果および考察】一致群は偏位側側方歯に連続した交叉咬合が7名,非偏位側側方歯に連続した鋏状咬合が1名にみられた.不一致群の側方歯は,両側交叉咬合1名,交叉咬合なし4名であった.正面セファログラムでは,一致群の上顎骨幅と下顎骨幅が共に偏位側が非偏位側に比べ有意に大きく,不一致群では,偏位側と非偏位側の間に有意差はみられなかった.また,下顎メントン偏位量と下顎骨幅径の偏位側と非偏位側の差は,一致群が不一致群に比べ有意に大きい値を示した.主機能部位の歯の位置は,上顎では一致群では偏位側,非偏位側ともに第一大臼歯が6名(75.0%)と最も多く,不一致群でも偏位側,非偏位側ともに第一大臼歯が4名(80.0%)と最も多くみられた.下顎では,一致群において偏位側では第一大臼歯が5名(62.5%),非偏位側では第二大臼歯5名(62.5%)と最も多く,不一致群では偏位側は第一大臼歯に5名(100.0%),非偏位側でも第一大臼歯に4名(80.0%)と第一大臼歯に最も多くみられた.主機能部位の座標解析では,一致群では上顎水平方向では偏位側が非偏位側に比べ有意に頬側に位置し,下顎では偏位側が非偏位側に比べ有意に舌側に位置した.一方不一致群では,上下顎骨の偏位側と非偏位側の比較で前後方向水平方向ともに有意差はなかった.咬頭傾斜角は,一致群では偏位側の上顎第一大臼歯が非偏位側に比べ有意に頬側傾斜し,偏位側の下顎第一大臼歯は非偏位側に比べ有意に舌側傾斜が示された.不一致群の咬頭傾斜角は,偏位側と非偏位側の間に有意差はみられなかった.偏位症例では偏位側で交叉咬合を示し,咬合力と咬合接触面積は,偏位側が非偏位側よりも有意に大きいことが報告されている.すなわち,一致群では咬合接触面積が大きく咬みやすいために主機能部位が偏位側に存在し,より偏位側で咬合することで,下顎骨偏位側咬筋付着部の骨形成が促進され,偏位側下顎骨幅径が増加している可能性が推察された.また,混合歯列期に上顎歯列弓幅径が狭く,上顎と下顎の臼歯の咬頭と咬頭が早期接触し,機能的に横方向に偏位して機能性交叉咬合となり,成長期に骨格性下顎偏位に移行することが多いと報告されている. 従って,成長期の片側性の連続した交叉咬合症例は早期に改善して,下顎骨の偏位側での習慣性咀嚼と臼歯部の咬頭傾斜角度の増加を防止することが重要と考えられた., 2019, application/pdf, 甲第222号}, school = {松本歯科大学}, title = {偏位を伴う骨格性下顎前突者の主機能部位}, year = {} }