@article{oai:shinshu.repo.nii.ac.jp:00001272, author = {倉田, 和之}, issue = {1}, journal = {松本歯学}, month = {Apr}, note = {【目的】Apert症候群はFGFR2の変異(Ser252TrpおよびPro253Arg)により生じる頭蓋縫合早期癒合症の一つであり,頭蓋骨の早期癒合,頭蓋の変形と顔面中央部1/3の低形成,骨性皮膚性合指趾症などを特徴とする遺伝性疾患である.歯科的特徴としては反対咬合や開咬などが挙げられ,Mustafaら(2001)は頭蓋縫合早期癒合症患者では歯肉炎の罹患率が高いと報告している.本研究はこの報告を前提として,Apert症候群型のFGFR2変異が歯周疾患のリスクファクターとなるか否かを検討した.【方法】Apert症候群患者3名および健常者2名の舌剥離細胞からゲノムDNAを採取し,PCR-RFLP法にてFGFR2遺伝子の変異様式を決定した.埋伏歯抜去の予定があったApert症候群患者・健常者各1名から採取した遊離歯肉片より歯肉上皮細胞を分離・培養し,歯周疾患関連細菌由来のLPS(リポ多糖)刺激によるMMPおよび炎症性サイトカイン(IL-6およびIL-8)産生量を比較した.MMPの検出はザイモグラフィーにて,炎症性サイトカインの測定はELISAにて行った.また,LPS刺激に対するFGFシグナルの関与を検討するため,Apert症候群患者の歯肉上皮細胞に細胞内シグナル伝達阻害作用をもつPD98059を作用させ炎症性サイトカインの測定を行った.【結果および考察】Apert症候群患者は3名ともSer252Trpの変異様式であることが確認された.健常者とApert症候群患者由来の歯肉上皮細胞との間でLPSによるMMP-2の産生量およびその活性化の程度に明らかな差は認められなかった.一方,Apert症候群患者由来の歯肉上皮細胞は炎症性サイトカイン産生に関してLPSに対する反応性が低下していた.その原因としてFGFR2からのシグナルがLPSシグナル伝達系を抑制しているという仮説を立て検討したものの,有意な結果は得られず,そのメカニズムを明らかとすることはできなかった.以上の結果から,FGFR2の変異が歯周疾患のリスクファクターとなる可能性は低いことが考えられ,また変異型FGFR2ではLPSに対する炎症反応が起こりにくい可能性があることから,TLR4以外のシグナル伝達経路(TLR2など)によってサイトカイン産生が起こる可能性が考えられた., application/pdf}, pages = {61--74}, title = {Apert症候群由来歯肉上皮細胞のLPS応答性}, volume = {35}, year = {2009} }