@article{oai:shinshu.repo.nii.ac.jp:00001237, author = {新納, 亨}, issue = {3}, journal = {松本歯学}, month = {Dec}, note = {チタンおよびチタン合金は,骨とオッセオインテグレーションすることや,機械的性質および加工性に優れるなどの理画から,現在のインプラント製品の主流となっている.しかしながら臨床において,チタンおよびチタン合金製のインプラントが破折する症例が認められている.インプラント治療後のトラブル症例の中でも破折は少なく,その割合はフィクスチャーが1%であり,アバットメントスクリューが2%であるが,歯科治療におけるインプラントの需要は年々増加する傾向にあり,破折に対する検討は早急に行う必要があると考えられる.臨床でのインプラントの破折は,ブラキシズムや補綴形態の不備によるオーバーロード,それに伴う骨吸収,さらにインプラントの構造上の問題などが原因とされており,これらが複雑に関与して発生する.したがって,破折の原因を究明することは困難であるが,破折のほとんどは,破壊強度よりも低い応力の繰り返し負荷によって生じる疲労破壊とされている.疲労試験は,一般的に静的荷重を負荷する装置を使用した試験方法で評価される.しかしながら,口腔内の咬合状態はさまざまであり,ブラキシズムを有する患者の咬合力は正常者よりも4~7倍も大きくなると報告されている.またインプラントは歯根膜を有している天然歯と比較すると,咬合時により大きな衝撃荷重が発生するとされている.このことからも,インプラントの破折原因を究明する際に静的荷重のみならず,実際の咬合状態を考慮した疲労試験を行い,検討する必要があると考えられる.そこで本研究はインプラント用疲労試験機を用いて,衝撃荷重によるチタンインプラントの疲労破壊について検討を行った.材料にはJIS第2種純チタンの棒材を使用して,フィクスチャーとアバットメントからなる2ピースタイプインプラントを切削加工にて作製し,実験に用いた.実験はインプラントの強度試験,疲労試験,破断面の観察,CT撮影による破折状態の観察および画像解析,さらに金属組織の観察を行い,インプラントの疲労破壊について検討した.その結果,以下の結論が得られた.1.インプラントが破折するまでの回数は,衝撃荷重が小さくなるに従い多くなった.また植立方向30°は45°と比較して,破折するまでの回数は多くなり,試験速度1Hzは2Hzよりも多くなった.2.疲労破壊したインプラントの破断面には,ストライエーションと亀裂が認められた.一方,破折までの回数が少なく,疲労による破壊ではないと考えられた破断面は延性破壊像であった.3.疲労試験後のインプラントの破折状態は5種類に分類され,破折するまでの回数が多くなるに従い,Type 0(疲労破折していない)→Type 1(アバットメント上部より破折)→Type 2(フィクスチャーより破折し,アバットメント上部も破折)→Type 3(フィクスチャーより破折)→Type 4(フィクスチャーより破折し,破折線直下のアバットメントも破折)となる傾向を示した.4.疲労破壊したインプラントの金属組織には,双晶や亀裂が認められた.5.衝撃荷重を用いた疲労試験は,臨床におけるインプラントの破折原因の究明に有益であることが示唆された., application/pdf}, pages = {230--241}, title = {衝撃荷重によるチタンインプラントの疲労破壊}, volume = {36}, year = {2010} }